人生を変えたミニマリズムの話②物欲地獄の始まり
昔々、あるところにあざみこという女がいました。
オシャレに興味はありません。
お金持ちでもありません。
ただ、自分が持つ世界観(アイデンティティ)を見た目で表現することに必死でした。
カッコ良い女に見られることに必死でした。
そしてびっくりするくらい飽き性でした。
服・時計・アクセサリー・靴・鞄・筆記用具・ティッシュケース・ポーチ…
何から何までこだわりを持ち、
良いなと思ったものは手に入れないと気が済まなかったのです。
彼女の人生が狂い始めたのは女が18歳の頃。
女は大学進学を機に親元を離れ、神戸で過ごすことになりました。
初めて持った自分の城、女の生活を咎める人は誰もいません。
お気に入りのものに囲まれた新生活が始まる。
私の生活に文句を言う人はいない、私は自由だ。
こんなことを思いながら、女は初めての生活に胸を高鳴らせるのでした。
女を狙う黒い影が忍び寄るとも知らずに…。